BLADE of ARCANA The 2nd Edition
(ブレイド・オブ・アルカナ セカンドエディション)
今回は、今までのレビューの中で一番新しいの…、だと思う。(笑)
ジャンルはファンタジー。それも、選ばれた英雄が運命に翻弄されますって王道の物。
聖痕を持つ英雄が、堕落し悪に染まった同じく聖痕を持つ者を倒すという非常にわかりやすいジャンル。
まあ、PC側がジェダイで相手がシスという、スターウォーズと一緒と言ったら身も蓋もないかも。(笑)
PCは選ばれた勇者様。完璧に王道です。(笑)
んで、ルール。
まず、判定に使用するダイスが20面ダイス。それに10面ダイス。
ブックタイプで販売されているんで、ダイスは付属されないので持ってない場合は別途購入する必要があります。
20面ダイスを使うルールなんて、D&D、AD&D以外に知りませんでしたよ。(笑)
タロットカードが付属し、1枚1枚がキャラクターのデータに相当します。タロットカードがそれぞれ職業というかキャラクタータイプに相当します。
タロットカードは22枚ですので、22種類のキャラクタークラスがあると思って良いでしょう。
このタロットが聖痕となり、3つキャラクターに宿っているって言う設定になっています。従って、プレイヤーは3つタロットを選択しキャラクターを作成します。
このとき、同じタロットを選択してもかまわないことになっています。
タロット1枚1枚でデータが決まっており、選択したタロットにより、能力値や選択できる技能が決まってきます。
この方法はトーキョーNOVAというルールと同一なので、知っている人は知っている方法でしょう。
このタロットがキャラクターの過去(に得た技能)、現在(ついている職業)、未来(に就く職業、持っている才能)を示します。
判定方法は前回のレビューの魔獣の絆と似た方法を使用します。
能力値以下をダイスで出したら成功、技能を持ってればレベル分のダイスをふれ、どれかが能力値以下なら成功と言う方法です。
魔獣の絆と違うのは、判定値は小さい程良いと言うことでしょうか。
技能は能力値毎にいくつか決められており、一部の技能(魔法使いの専用技能)以外は最低1レベルは保持していると言うことになっています。
選択したタロットにより決められた特技というものをPCは取得でき、これによりPCが特徴づけられます。
特技は技能と組み合わせて使用します。特技毎に組み合わせられる技能が決まっており、組み合わせることにより、判定が難しくなる(ダイスで出さないといけない値が下がる)かわりに、特殊な効果を得られます。
判定値が1以上である限りはいっぱい組み合わせることも可能です。
んで、この特徴は、戦士の特徴であればダメージを追加したり、防御力を増やしたりといった感じです。
まあ、使う毎に代償が必要だったりしますが。(ヒットポイントが減ったりする)
基本的に戦闘、その他、判定はすべて同じ方法をとります。
そして、PCが持つ最大の能力としては、「奇跡」というのがあります。
選択したタロット毎に「奇跡」が決められており、タロット1枚につき1回の奇跡を起こせます。
PCはタロットを選択していますので、1回のゲームで3回の奇跡を起こせるわけです。
この奇跡は特技を強化した様なものですが、決定的に強力です。
ダメージを信じられない程大きいものにしたり、すべてのダメージをうち消したり、死んでしまったキャラクターを生き返らせたりします。
キャラクターには因縁と言うものを設定します。
これはキャラクターが過去、現在、未来に出会う人々、思う人々を決定するものです。
これにより、PCの設定に重みをつけ、プレイヤーにロールプレイを強要します。
又、因果律と言うもの決めます。これも過去、現在、未来の分を決めます。
これは、PCの過去、現在、未来においてPCがおかれた状況等を規定するもので、PCの人格形成を司るものに相当するものでしょう。
さて、ここまでルールを書いてきましたが、明らかに特殊なものです。
とくにタロットを利用するということ、PCが奇跡を起こすということがですが。
これは付属する世界設定に基づくルールだからです。
ルールにはハイデルランドという世界設定が付属します。
始めにジャンルのところで書きましたが、PCは選ばれた勇者様です。
世界を救うために使わされた22人の使徒アルカナ。ですが、彼らは闇の力に負けバラバラに砕け散ってしまいます。
バラバラに砕かれたアルカナを聖痕としてやどしたのがPCです。
そして、PCの敵となる者も聖痕を宿しています。聖痕の与えてくれる力におぼれ、闇に落ちた殺戮者です。
基本的にPCは殺戮者に宿った聖痕を解放し(殺戮者を倒し)、アルカナを復活させるのが目的となります。
ですが、ことある毎に、PCを闇に落とす誘惑がきます。(笑)
これは、尊厳値というデータがキャラクターにあり、ことある毎にこの尊厳値にダメージがくるようなルールがあるのです。
闇に落ちたPCはマスターに回収され、殺戮者となります。(NPCとして使うかどうかはマスター次第ですが)
とまあ、このような設定は特殊な世界設定ですが、基本的にはきわめて普通の世界設定です。
つーか、ルールに付随しない部分の設定はあんまり特徴が無いのがなんですが。 綺麗な世界設定と言って良いです。
闇の誘惑として、ことある毎にPCに与えられる鎖という形でタロットが渡されます。
鎖は特技を使ったり、いろいろな状況により逆位置(上下が反対におかれた状態)になります。
で、奇跡が使われると(PC、NPC問わず)、逆位置の鎖1枚につき尊厳値にダメージが、正位置の鎖1枚につき尊厳値が回復します。
これが、ダメージのがでかいので困りものです。(笑)
実は、これが最大の特徴の世界設定であり、ルールであったりします。
エンターブレインからブックタイプででています。
本屋さんで入手可能なので手に入り安いですが、必要なダイスが20面でしかも付属してませんので、要注意です。
総評
★★★★(5つが最高評価)
中級者〜上級者向け。
簡潔なルールの為、プレイアビリティは高め。基本的にはロールプレイ強要型。
非常にPCが死にやすい(殺戮者になりやすい)バランスなので、なれるまでは困惑するかも。
プレイヤーへの負担はキャラ作成時のみ。データの選択等のみ。
鎖についての制御がマスターに一任されてるので、マスターへの負担はでかいです。
でも、ルールとしての完成度は高いです。
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